デリバティブ偏愛家の日記

NT倍率の分析

最近日銀のETF買い入れに関する市場の動揺で、NT倍率が大きく動いたので分析してみた。

 

NT倍率の長期推移

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大まかに見ると日経平均に近い動きだが、2005年~リーマンショックまでは大してNT倍率は動かず、逆にリーマン後アベノミクス開始まではNT倍率だけ動く、という乖離も見られる模様。

NT倍率の変動要因

有名な話だが、日経平均は採用銘柄の株価の平均値なので、値嵩株の影響を受け易い。逆にTOPIXは時価総額で加重平均する(正確には浮動株×株価の加重平均)ので、そういった影響を受けにくいという特徴がある。

なので、教科書的には「単純に株価の高い個別銘柄の価格変動がNT倍率に影響する」と考えて良いかと。ちなみに日経平均の構成銘柄ウェイトのデータは下記サイトから取得可能。

https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?idx=nk225

具体的にウェイトを調べると、以下のように。圧倒的に見辛いが…まあ上位が如何に大きい影響力を持っているかが分かれば良いでしょう。

※日経平均を構成する225銘柄の終値を持って来て単純に平均値を取っても、公表されている数値とは一致しない。みなし額面を調整する必要があり、面倒なので自分で計算するより、上記サイトからウェイトを取ってきた方が楽。

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ファーストリテイリングの影響が非常に大きいので「ユニクロ指数」等と揶揄される日経平均だが、オプション市場ではTOPIXが完全に過疎化しており、海外市場に上場する日本株関連の株価指数先物はほぼ日経関連のみ(TOPIX先物が今年CMEに上場したものの、無人でアルゴすらいない)、という現状を踏まえると日経平均に問題があろうと使い続ける必要があるのも事実。

NT倍率と日経平均

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これは先程同様にNT倍率と日経平均の推移だが、NT倍率の動きが日経と近い(相関が高い)時期とそうでない時期が見られる。ここを掘り下げてみた。

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上記グラフは、

  • 左軸(面グラフ):日経平均とNT倍率の相関
  • 右軸(折れ線グラフ):日経平均とTOPIXのヒストリカルボラティリティの差分(日経-TOPIX)

をプロットしたもの。大体予想通りではあるけど、日経平均とNT倍率の相関が高い時期というのは、ほぼ単純に日経がTOPIX対比で高いボラティリティにある時期ということ。

紺の折れ線グラフが基本的に0以上にあるのは、日経平均がTOPIX対比でボラが高いことを示しているが、これは納得がいく。単純に日経平均の方が構成銘柄数が少なく、分散効果が低い上に、上述したウェイトの問題で一部の銘柄の影響を強く受けることに起因する。

結局、株価指数の変動に左右されない運用としてNT倍率を取引しようとしても、最終的には日経の値嵩株のボラに左右されるだけ、ということに。何とも言えないオチだが…気が向いたら日中変動等も分析しようと思います。

 

※日中変動も含めた続編はこちら→続・NT倍率の分析

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