デリバティブ偏愛家の日記

2018/9 第3週 米金利分析

先週は旅行でサボったので、2週分更新になります。

 

 1.イールドカーブ

縦軸に利回り、横軸が満期までの日数。指定日は前回記事を投稿した時の基準日(8/31)の水準。

久々に長期中心に金利上昇。

 

2.中期イールド

主要年限(先物が存在する年限)の中期推移。

 

3.中期スプレッド

主要年限同士の差分(スプレッド)。計算式は5Y-2Y。

スティープニングは再度停滞し、もみ合いの状態に。

 

4.中期バタフライ

バタフライとは、短い年限と長い年限に買い(売り)、その間にある年限を売る(買う)取引手法で、イールドカーブの形状に注目するもの。「2-5-10」の計算式は以下。「2-5-10」が左軸、「5-10-30」が右軸。

5Y×2 – (2Y + 10Y)

2-5-10が遂に反転?

 

5.短期イールド変化

100営業日(約5ヶ月)前を基準1として、そこから各主要年限の金利がどう変化したか。

 

6.短期10Y vs 5-10

左軸に10Y金利、右軸が5Y-10Yスプレッド。データは過去100営業日分。

 

7.長期10Y vs USDJPY

過去1,000営業日の10Y金利(左軸)とUSDJPY(右軸)の推移。

 

8.短期10Y vs USDJPY

データは全く上と同じで、期間が100営業日。

 

9.短期為替相関

主要年限それぞれと、USDJPYの相関係数の推移。相関係数は前日比を過去20営業日分使って計算。

USDJPYと米金利の相関が少しづつ戻ってきた。

 

10.中期インプライドボラティリティ推移

左軸が10Y金利、右軸がその先物オプションのIV。

今週の記事で最も重要なデータか。IVががくっと低下して年初来安水準に。

 

11.10Yスワップスプレッド推移

左軸が10Y金利(10Y国債利回り)、右軸が10Yスワップスプレッド(10Yスワップ金利 – 10Y国債利回り)。

 

12.5Y、10Yスワップスプレッド推移

左軸が5Yスワップスプレッド、右軸が10Yスワップスプレッド。

 

総括

見ない間に急にIVが低下していた。下のグラフは、10番の左軸10Y金利、右軸TY VIXの長期版である。

教科書的には、リスクオフ→金利低下+IV上昇となるはずで、一応金利とIV(正確にはTY VIXだが、以降面倒なのでIVと表記)が逆行する期間が存在している。ただ、リーマンショック以降、FRBが明確なフォワードガイダンスを出しながら量的緩和を進める過程で、金利低下+IV低下という特殊な(とは言えグラフ期間中では半分程度は該当するが)現象が発生していたので、同調する期間もある。最近ではこれまたFRBの”適切な”コントロールのお蔭で金利は上昇しつつもIVは歴史的低水準に抑えられているが、ちょくちょくトランプが横槍を入れてはIVが上昇する、というパターンが多い。

JGBではYCCの弊害、というかまさにYCCの影響で異様にボラが低下し、流動性まで失われ、BOJが多少のボラを許容する(YCCの幅を2倍まで許容)と発言するまでに至ったが、米国ではこのIV水準でも流石に流動性等には問題が発生していないようだ。とは言え、極端なボラの低下は過大なリスクテイクを生み易いので、要注意。特に同程度までIVが低下した2007年はサブプライムローン問題が実際に露見し始めた時期なので、IVをロングしたくもなる水準ではある。ただ、昨年夏から秋頃も同じことを言ってGamma ロングしていたら普通に壊死していたはずなので(年を跨げば勝てたが)、なかなか怖くて手が出せない…先物オプションは大して満期が遠くないのでひたすらロールしながら一回の爆益を待つしかないのか。

 

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