デリバティブ偏愛家の日記

続・NT倍率の分析

前回、結局「相対的にボラの高い日経に振り回されるだけの指数」というオチとなったNT倍率について、懲りずに分析してみました。

※前回はこちら

NT倍率の分析

日中の変動

前回は日足ベースでしか見てなかったので、今回は先物を使ってイントラデイも分析します。

<NT倍率と日経平均先物の時間帯別ボラティリティ(2012年~直近)>

上図は、15分足で計算したNT倍率と日経平均先物のボラティリティ。期間は2012年初~直近(2018/9/25)まで。途中で先物の取引時間が拡大したので、やや微妙なデータですが…

NT倍率は一応ある程度個別の銘柄の動向に影響されるので、やはり東京寄り付きが大きな変動タイミングのようです。ここら辺は先物とあまり変わりません。また、この期間だとNY時間にも若干NT倍率が動いているように見えます。因みに大半の時間帯で0.05%で推移していますが、一応これは先物を使ったことの弊害のようで、

上の表のように、時点t1とt2で全く先物価格に変化が無くても、終値が水色で塗られたサイド(BID or ASK)になった場合、終値で計算するNT倍率は僅かに変化するので、これがボラとして算出されてしまうようです。最初はこれに気付かず、0.05%のレンジで逆張りしてれば常勝では?とか頭を過りましたが、そんなに世の中は甘くないです。

<NT倍率と日経平均先物の時間帯別ボラティリティ(2018年4月~直近)>

今度は直近半年分です。こちらで見ると8:45の先物寄りと9:00の現物寄りが同程度のボラになっています。で、NY時間は特に変動は無いようです。じゃあさっきのは何だったんだという話なんですが、よく分かりません(おい)。個別銘柄が動かない以上、特に動く理由も無いので、CMEやSGXにも上場している日経が海外投資家の動向で夜間に動くものの、相対的に海外参加者の少ない?TOPIX先物は昔は若干乖離した動きをしていたのかもしれません。

最後にストレートに東京時間(8:45~15:15)とそれ以外の時間で、NTと日経先物のボラを計算しました(期間:2012年~直近)。NTは基本的に東京時間がメインという自明な事実を確認できました。

 

日経先物とNTのボラ推移

<左軸:日経平均先物HV÷NT倍率HV 右軸:日経平均先物終値>

再度日足ベースの分析に戻ります。日経平均先物のHV(過去20日分)を同期間のNT倍率HVを割った値を計算しました。ほとんど株価と無関係なのが分かります。アベノミクス開始時に一旦NTは大して動かずに日経だけ動く時期があり、その後収束して3倍程度で推移、という感じでしょうか。

 

類似ベアを探す

「おい、NT倍率の分析諦めるなよ!」「諦めんなよ 諦めんなよ、お前!! どうしてそこでやめるんだ、そこで!! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメ、諦めたら(以下略)」色々な声が聞こえる。ちょっと暑苦しい。いや、別に諦めた訳ではなく、似たようなペアでもっとアルゴ組み易そうなのを探すのがトレーダーというものではないだろうか(言い訳)。

 

Dow vs S&P500

最もメジャーな米系株価指数であるダウとSP500をまずは見てみることに。

<左軸:DS倍率(ダウ÷SP500) 右軸:SP500>

勝手に以降DS倍率と呼んでます。

<左軸:ダウHV÷SP500HV 右軸:SP500>

かなり綺麗に1倍付近で推移しています。ちょっと不思議ですが、構成銘柄数が圧倒的に少ないダウの方がSPXよりボラが低い局面もあるようです。まあ超大型株だからボラが基本的に低いのかもしれません。

<左軸:DS倍率HV 右軸:SP500>

1999~2001年くらいまでは妙に高いのと、リーマンショック時に上昇していますが、他は基本的に0.2%程度(日率)で推移しています。基本的に相場が大きく荒れる場面でのみ上昇するようで、ちょっとした下落では安定している模様。

<左軸:SP500HV÷DS倍率HV 右軸:DS倍率>

概ね2~4倍で推移しています。全体的にDS倍率という指数そのものの動きは読みにくいですが、ボラとしては安定しているので、何かネタを考えられそうです。

 

DAX vs CAC

いきなり若干渋い組み合わせですが。CACはややマイナーですがフランスの株価指数です。なので、これは今までとは異なり、全く異なる国の、異なる取引所に上場している指数同士になります。以下、勝手にDC倍率と呼びます。

<左軸:DC倍率(DAX÷CAC) 右軸:DAX>

盲目的にDC倍率をロングしてれば良いんじゃないか、という雑な案が出て来そうですが…

<左軸:DAX HV÷CAC HV 右軸:DAX>

一応これも1倍を中心に変動しているようです。

<左軸:DC倍率HV 右軸:DAX>

これは結構興味深い結果に。2002年の一回の急騰後、一旦リーマンショックまでかなり低下し、リーマン後もほぼ同水準で推移しています。明らかに市場構造が2002年をきっかけに変化したと言える事象です。

<左軸:DAX HV÷DC倍率HV 右軸:DC倍率>

現状、何となく2倍程度で推移していますが、昔は1倍だった時期もあり、変化が大きいです。

DC倍率に関しては、裁量っぽく中長期の上昇トレンドを考えながら、下がれば買って上がれば売る、という戦略はありかも?幸いボラはリーマンショッククラス以外ではほとんど上昇しないので、レンジを計算して使うことも出来そうです。

 

DAX vs UKX

続いてUKX。FTSE100とも呼ばれる、イギリスの株価指数です。

<左軸:DU倍率(DAX÷UKX) 右軸:DAX>

結局倍率云々考えずに、DAXをロングしてれば良いんじゃないかとかそういった意見が出そうなチャートですが、懲りずに続けます。

<左軸:DAX HV÷UKX HV 右軸:DAX>

これは恒常的に1倍以上で推移していますね。UKXの方が安定しているようです。

<左軸:DU倍率HV 右軸:DAX>

こちらもDC倍率と似たようなボラ推移となっています。

<左軸:DAX HV÷DU倍率HV 右軸:DU倍率>

DU倍率自体がかなりDAXに近い動きをしているので、1倍ちょっとで推移しています。結局、これはDAXのボラがUKXに対して高過ぎるので、ほぼ独立した指数として使えないようです。

 

総括

NT倍率は昔から「何かしら取引アイデアが生まれ得るのでは?」という幻想を無駄に醸し出しているんですが(他にはVIX等も)、まだもう一歩踏み込む必要がありそうです。ボリンジャーバンドを改良してどうにか、と先週辺りから再度模索してますが、どうなるか。

むしろ収穫は他の指数も結構面白そうだ、という点でしょうか。欧州の株価指数は国毎に相当数存在する上に、CFDで取引可能なので調べ出すとそこそこな沼かもしれません。

 

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