デリバティブ偏愛家の日記

2019/8 第3週 米金利分析

 1.イールドカーブ

縦軸に利回り、横軸が満期までの日数。指定日は前回記事を投稿した時の基準日(7/26)の水準。

縦軸が思いっきり下に伸びた。米中貿易摩擦は一向に着地点が見えず、かなり先取りする形で中~長期メインに金利低下。金曜引けベースではこの状態だが、週内では2-10で逆イールドとなる等、「お盆何それ美味しいの」レベルの動きを見せた。

2.中期イールド

主要年限(先物が存在する年限)の中期推移。

3.中期スプレッド

主要年限同士の差分(スプレッド)。計算式は5Y-2Y。

主に急落したのは2-10。地味に2-5もかなり深堀している。10-30で緩やかに進んでいたスティープニングは崩壊。

4.中期バタフライ

バタフライとは、短い年限と長い年限に買い(売り)、その間にある年限を売る(買う)取引手法で、イールドカーブの形状に注目するもの。「2-5-10」の計算式は以下。「2-5-10」が左軸、「5-10-30」が右軸。

5Y×2 – (2Y + 10Y)

主要年限で5Yが最低となった影響でバタフライはかなり荒れている。ここ最近動きが乏しかっただけにインパクトは大。

5.短期イールド変化

100営業日(約5ヶ月)前を基準1として、そこから各主要年限の金利がどう変化したか。

6.短期10Y vs 5-10

左軸に10Y金利、右軸が5Y-10Yスプレッド。データは過去100営業日分。

7.長期10Y vs USDJPY

過去1,000営業日の10Y金利(左軸)とUSDJPY(右軸)の推移。

8.短期10Y vs USDJPY

データは全く上と同じで、期間が100営業日。

株の反発でUSDJPYは跳ねて引けている。金利との昨今の相関を鑑みると、USDJPYだけが元気良く反発する状況は長続きしない印象だが。

9.短期為替相関

主要年限それぞれと、USDJPYの相関係数の推移。相関係数は前日比を過去20営業日分使って計算。

10.長期10Y vs S&P500

左軸が10Y金利、右軸がS&P500指数。

11.金利インプライドボラティリティ推移

左軸が10Y金利、右軸がその先物オプションのIV(TYVIX)。

債券価格が上がってボラも上がる市場って美しくないですか?(株式市場への突然の宣戦布告)

12.為替・金利インプライドボラティリティ推移

左軸がUSDJPYのIV(JYVIX)、右軸が10Y先物オプションのIV(TYVIX)。

一応USDJPY的には年始レベルの水準に近い。米株がまだ高い水準なので、それだけ考えると若干過剰な印象を受けるが…

13. 為替・金利インプライドボラティリティパフォーマンス比較

左軸は200営業日(約10ヶ月前)を1としたUSDJPYのIV(JYVIX)と10Y先物オプションのIV(TYVIX)。右軸はJYVIX÷TYVIX。

14. 為替・金利インプライドボラティリティとVIXの比較

左軸がJYVIX÷VIXとTYVIX÷VIX、右軸はVIX指数。

15.10Yスワップスプレッド推移

左軸が10Y金利(10Y国債利回り)、右軸が10Yスワップスプレッド(10Yスワップ金利 – 10Y国債利回り)。

16.5Y、10Yスワップスプレッド推移

左軸が5Yスワップスプレッド、右軸が10Yスワップスプレッド。

総括

人が夏休みモードに入ると動き始める市場。これ来週から真面目に更新するとどうせ動かなくなるんでしょ。

…とりあえず長期の金利チャートを。

直滑降に近い状態。水準で見ればQEをがっつりやっている頃と同レベル。株がちょっと下がるだけでこれだけ金利が下がるなら、もう株ロング+債券ロング無双の時代はあと10年くらい続くのでは、と思ってしまう。

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